田中貴のプロフィール

 専門は作物栽培学ですが、イネ、ムギ、ダイズといった作物だけでなく、土壌・水環境の影響も考慮した上で、作付体系や土地利用などの幅広い視点から、農業生産の持続的発展を実現するための理論構築と技術開発を目指しています。近代以降、科学技術の発展に伴い、人間活動が自然生態系の物質循環に多大な影響を及ぼすようになりました。農業においては、ハーバー・ボッシュ法が工業化されてから、本来、自然界には存在しなかった大量の窒素が環境中に排出され、地下水、河川、そして、湖などの富栄養化といった問題を引き起こすようになりました。そこで、学生時代は中国雲南省で農業と水環境にまたがる物質循環を改善するための研究を行ってきました。岐阜大学に着任してからは、国内では稀に見る先進的な大規模水田農業(岐阜県海津市)における作物の収量・品質の高位安定化を目指した精密農業に関する研究を行っています。また、耕作放棄地や農業者の担い手不足の問題が深刻化する中山間地において、持続可能な農業の再構築を目指し、水田輪作体系に関する研究を岐阜県下呂市で実施しています。
 1990年、滋賀県野洲市に生まれ、大阪府高槻市で育ちました。学部時代は京都大学山岳部に所属し、国内外の山に登る日々でした。京都大学山岳部には、「パイオニアワーク」「オールラウンド」「コンプリート」という標語があります。登山は誰も行ったことがない未知の領域に行くことに意義があります(パイオニアワーク)。また、未知の領域には沢、岩登り、氷壁、クレバスがでてくる可能性があるため、あらゆる登山技能を身につけ(オールラウンド)、そして計画を完全に遂行する必要があります(コンプリート)。これは、山岳部の先人達の受け売りになりますが、特に農学分野における研究では、未知の部分を解明するために、多様な分野の知識・技術を身につけ、 そして、最後には社会に還元できるような成果を導きだすものであると考えています。

大学広報誌「岐大のいぶき」に研究紹介の記事が掲載されました。


職歴

2014年 4月〜2017年3月 日本学術振興会特別研究員DC1
2016年10月〜2017年1月 京都大学大学院農学研究科 リサーチアシスタント
2017年 4月〜現在に至る  岐阜大学応用生物科学部 助教
2020年 1月〜現在に至る  岐阜大学人工知能研究推進センター 兼任

学歴

2008年4月〜2012年3月 学部:京都大学農学部資源生物科学科
2012年4月〜2014年3月 修士課程:京都大学大学院農学研究科農学専攻
2012年8月〜2013年8月 交換留学:昆明理工大学生命与科学技術院
2014年4月〜2017年3月 博士課程:京都大学大学院農学研究科農学専攻
2014年6月〜2016年6月 研究指導委託:昆明理工大学生命与科学技術院

所属学会

2014年3月〜現在に至る 日本作物学会
2016年4月〜現在に至る システム農学会
2017年5月〜現在に至る 日本作物学会東海支部
2019年1月〜現在に至る 国際精密農業学会

資格

新漢語水平考試6級

賞罰

日本作物学会 第247回講演会 口頭発表 優秀発表賞(2019年3月)
システム農学会 2016年度春季大会 北村賞(2016年5月)
日本作物学会 第241回講演会 口頭発表 優秀発表賞(2016年3月)
日本学生支援機構奨学金 業績優秀者全額免除(2014年)

競争的資金の獲得状況

令和元年度 小川科学技術財団 50万円(研究代表)題目「深層学習に基づくUAV画像解析によるダイズ個体密度の自動計測」
令和元年度 越山科学技術振興財団 200万円(研究代表)題目「リモートセンシングと空間統計モデルによる農家を主体とする現地実証試験の方法論の確立」
平成30〜令和2年度 若手研究 320万円(研究代表)題目「大規模区画圃場における小麦・大豆の収量・品質の高位安定化を目指した作物学的研究」
平成30年度 ヤンマー資源循環支援機構 助成 研究(一般)(研究代表) 135万円(研究代表)題目「耕畜連携を推進する飼料用イネと良食味米の栽培を可能とする水田輪作体系の構築」
平成29〜30年度 基盤研究(A) 150万円(分担者)題目「中国西部内陸部の集約的農業における持続的な環境負荷軽減技術の構築とその評価」
平成26〜29年度 特別研究員奨励費 290万円(研究代表)題目「中国⻄部内陸部における人工湿地 の植生管理がその水質浄化能に及ぼす影響の定量的評価」
平成26年度 公益社団法人 京都大学教育研究振興財団 在外研究⻑期助成(1年) 200万円 題目「中国⻄部内陸部における人工湿地の植生管理がその水質浄化能に及ぼす影響の定量的評価」

Takashi Tanaka's citations


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